なぜ瞑想するのか?
真の幸せはどこにあるのでしょうか?現代世界は、比類ないレベルの物質的な豊かさと快適さに囲まれていますが、それが不満や不安、抑うつを覆い隠してしまうことがよくあります。皮肉なことに、私たちをとりまく世界で“進歩”が見られるほど、私たちの生活の中身がより少なくなるように思われます。
瞑想は、真の幸せが私たちの内にあることを示してくれます。瞑想を実践することで、今この瞬間にいることの喜びに目覚めます。注意深さと気づきを培うことで、慢性的な痛みや破壊的な思考パターン、難しい感情などの困難な状況でも内なる平和と喜びの源に変容することができます。
近年、瞑想は科学界からも大きな注目を集めています。ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、ウィスコンシン大学、その他多くの有名な機関の研究者たちは、高血圧から意識のピーク状態まであらゆることに関する瞑想の効果を調査しました。それによって、瞑想が、熟達した瞑想実践者の脳に深く影響を及ぼすだけでなく、1日数分だけの瞑想でも幸せやウェルビーイング(幸福)に関連する脳の部位が劇的に増加することが示されました。また、瞑想は身体の免疫系を高め、脳が長い時間集中する能力を向上させ、多くの心理的障害に対して効果的な治療となることも示されました。
瞑想とは何か?
瞑想は気づきと洞察を育む術です。
瞑想は、破壊的な感情パターンを元に戻したり、智慧や思いやりといったポジティブな資質を高めたり、純粋な気づきという心の根源的な本質につながったりするための実用的なツール(道具)として用いることができます。
気づき:瞑想の本質
ミンギュル・リンポチェがよく言われるように、気づきは瞑想の本質です。意味することは、瞑想の実践は、心(ハート)と心(マインド)を探求するプロセスであり、気づきそのものの豊かさを完全に体験するプロセスであるということです。
第3の選択肢:困難な感情と友達になる
困難な状況や痛みを伴う感情に遭遇した場合、通常は次の2つの方法のいずれかで対応します。1つめのケースは、自分の感情と一体になり、その感情が主張することを信じます。ミンギュル・リンポチェはこれを「はい、仰せのままに!」反応と呼んでいます。2つめのケースは、その感情に抵抗し、押しのけようとします。これをミンギュル・リンポチェは「おい、出ていけ!」反応と呼んでいます。このどちらの反応も、不満と苦しみのサイクルに私たちを閉じ込めています。
瞑想は私たちに3つめの選択肢を与えてくれます。痛みを伴う感情を気づきのサポートとして使うのです。このアプローチは、困難な感情に対してしばしば抱く抵抗感を弱めます。最終的には、気づきの自然な表現としてこれらの感情を受け入れて感謝することを学ぶことさえできるようになります。
日常生活における瞑想実践
痛みを伴う感覚や感情を気づきのサポートとして使うのと同じように、日常の体験、暮らしの中の最もありふれた細部でさえも、実践を深める機会として使うことができます。今この瞬間に現れるすべてが、気づきのサポートとして使えます。電話が鳴っている音、机に座っているときや通りを歩いているときの身体の感覚、その日の出来事に伴い湧き上がるすべてのイメージなどを使って瞑想することができます。この実践のすばらしさは、瞑想を妨げるものが何もないということです。最終的に、すべてが瞑想となり、今ここの瞬間に完全にくつろぐことでしょう
